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クチナシの花

今の季節クチナシの花が綺麗な季節ですが、皆さんはどんな花か知ってますか?

純白の花弁が厚く、とっても甘い芳香があり、とてもデリケートで

雨に濡れるとすぐに黒ずみ傷んでしまいます。

この季節になると思い出すエピソードがあります。

それは、今から10年ぐらい前のこと、ある男性からの要望で

結婚式の花嫁にくちなしのブーケをプレゼントしたいのだけど、、、、

というものでした。

クチナシは私も好きな花の1つですが、ブーケに使用することは非常に難しく

水がすぐに下がってしまうので、ちょっと厳しいですね。というと

でもどうしてもクチナシの花じゃないとダメなんです。

と、訴えてきます。

意味深そうでした。

私はなんとか彼の願いを叶えてあげたく

了解しました。

でも了解したものの、何度あらゆる方法で水揚げをしても、完成した直後から

みるみる花びらの色が変化し、朽ちていくのです。

やはり、ムリか。

いや、ちょっとまてよ。確か挙式会場の庭に6月になるとクチナシの花が咲いてなかったっけ。

私はすぐに車を飛ばしました。

咲いていました。雨に濡れてひっそりと。

優しく気高くひっそりと。

私は決めました。

現場で式の始まる時間を逆算して、その場で作ろうと。

失敗は許されません。

真っ白い純白のドレスの女性はまさにジューンブライドが最高に似合う

幸せの天使のようでした。

クチナシの花にホワイトスター、白バラにユーチャリス、グリーンはアイビーを使いパール

を散りばめました。

式が始まる3分前でした。出来上がったのが。

最高に素敵な本当に美しい6月の花嫁でした。



それから、3ヶ月後依頼を受けた男性から、彼女が亡くなったとの知らせを受けました。

白血病だったそうです。

クチナシにこだわった理由はクチナシの咲く公園でプロポーズをし、彼女が言ったそうです。

私、生まれ変わったらこの、クチナシの花になるから、と。